創業支援事業計画のメリットと利用方法を詳しく解説
これから事業を興そうという場合には、国や地方自治体などによる公的な応援制度を利用できることがありますが、創業者が利用しやすい制度として、創業支援事業計画があります。
これは、地方自治体が国の認定を受けて創業者を応援する制度ですが、具体的にはどのようなもので、どのようなメリットがあるのでしょうか?利用方法も知っておくと役立ちます。
そこで今回は、創業者が是非とも利用したい創業支援事業計画について解説します。
創業支援事業計画とは
創業支援事業計画とは、地方自治体が民間業者と提携して、地元の創業者を応援するための事業計画です。
日本では、開業率が低く競争力の低下が懸念されていので、対策として2014年1月に施行された産業競争力強化法にもとづいて、実施されることとなりました。
創業支援事業計画では、各地方自治体が民間の創業支援事業者と提携して創業者を応援するための計画を立てて、それを国に申請し、認定を受けられたらその内容の創業支援が実行される、という流れになります。
創業支援事業計画の認定自治体で開業すると、創業者は、各自治体の事業計画に応じた内容の支援を受けることが可能になりますし、融資を受けやすくなるなどのメリットがあります。
創業支援事業計画を利用するメリット
創業者にとって、創業支援事業計画を利用すると具体的にどのようなメリットがあるのか、以下でご紹介します。
(1)登録免許税が軽減される
創業者が、自治体が実施する特定創業支援事業の支援を受けた場合には、株式会社を設立する際の登録免許税が軽減されます。
登録免許税は、もともと資本金の0.7%とされていますが、それが0.35%にまで減りますし、登録免許税の最低金額も15万円から75000円に減額されます。
(2)信用保証協会の枠が増える
特定創業支援事業によって支援を受けた創業者が信用保証協会の創業関連保証を受ける場合、融資枠が1000万円から1500万円に拡大されます。
この融資は、無担保で第三者による保証が不要なので、大変利用価値が高いです。
また、信用保証協会による保証を受けたい場合、通常であれば事業を開始する2か月前からの申請になりますが、特定創業支援事業を利用した場合、特例によって6か月前からの申請が可能になります。
(3)日本政策金融公庫の融資制度を利用しやすくなる
創業者が特定創業支援事業を利用すると、日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用しやすくなるメリットがあります。
具体的には、自己資金要件が撤廃されるので、手元にお金がなくても融資を受けやすくなります。
創業支援事業計画のメリットを受ける方法
上記のように、創業支援事業計画を利用すると多くのメリットがありますが、そのためには条件を満たさなければなりません。
具体的には、各自治体が実施している特定創業支援事業を利用して、その証明書の発行を受ける必要があります。
証明書は、特定創業支援事業を利用した後、市町村役場の担当部署に行って発行してもらいます。
担当部署は、創業支援係や産業支援課など、各自治体によって名称が異なるので、確認しましょう。
申請手続きが終わったら、1週間程度で証明書が送付されてきます。
特定創業支援事業で受けられる支援内容
最後に、各自治体の特定創業支援事業ではどのような支援が実施されているのか、見てみましょう。
具体的名支援内容は各自治体によって異なりますが、だいたい以下のような内容のものが多いです。
(1)専門家による相談を受けられる
創業支援事業計画の認可を受けた多くの自治体では、創業者向けに専門家による相談サービスを実施しています。
たとえば、事業内容に応じて経営やIT、各種技術のプロが相談にあたってくれます。
また、横の連携ができていて、1種類の専門家に相談をしたことをきっかけに、ワンストップで別の専門家にも相談できる環境が整っている自治体もあります。
開業直後は分からないことも多く、経営も不安定になりやすいので、こうした専門家による支援が大変役立ちます。
(2)スキルアップのための研修を受けられる
多くの自治体では、特定創業支援事業として、経営者のスキルアップのための研修制度を実施しています。
たとえば、財務の研修や経営のノウハウや基礎知識についての研修などがあります。
創業支援塾として、連続セミナーが開催されている自治体などもあります。
こうした場を利用して経営に対する知識を深めることで、新たに開業した事業を成功させることができます。
(3)低料金でオフィス利用できる
創業者向けに、低料金でのオフィス利用サービスを実施している自治体もあります。
提供されている場所は、自治体の公共施設であるケースもありますし、民間の創業支援事業者が提供する場合もあります。
起業後、オフィスを借りるのにもお金がかかるので、こうした支援事業を利用すると場所代が節約できて助かります。
まとめ
以上のように、自治体と民間による創業支援事業計画を利用すると、いろいろなメリットがあります。
まずは、自治体が実施する特定創業支援事業に参加するところから始めてみると良いでしょう。